活動概要
平成26年度 事業報告
平成26年度近畿支部の事業計画に基づき実施した主な事業は、次のとおりです。
1.会員資質と専門的知識、技術力の向上を図るための講演会、研修会、講習会の開催
平成26年度は、会員資質と専門的知識、技術力の向上を図る目的で下記の講演会、
研修会、講習会を開催いたしました。
< 講 演 会 >
日 時: 平成26年 5月16日 (金)
場 所: 大阪キャッスルホテル
テーマ: 「心豊かに生きる」
講 師:京 都 「 法 然 院 」
貫 主 梶 田 真 章 氏
受講者: 112名
< 研 修 会 >
平成26年度の研修会は3回の実務研修会を開催しました。
第一回は、平成26年4月17日に「新梅田研修センター」において、これまでから要望のあったガソリンスタンドの設備の概要と移転方法などについて、ガソリンスタンドの専門家である(株)タツノに講師をお願いし、会員だけで無く、起業者様にも参加を呼びかけましたところ、会員からは30社56名、起業者様からは16起業者26名の合計82名と言う非常に多くの方の参加が得られました。
第二回は、平成26年12月12日に「たかつガーデン」において「独占禁止法」の講習会と併せて開催しました。近畿支部の相談役で(株)関西補償問題研究所の代表取締役の武田政雄氏に講師をお願いし、損失補償基準の解釈と実務上の留意点等について、法令、判例をもとにご講義頂きました。
第三回は、平成27年2月17日に「新梅田研修センター」において、平成24年4月に改正された、「木造建物調査積算要領」、「非木造建物調査積算要領」の改正経緯や改正内容等を国土交通省近畿地方整備局用地部用地補償課の古川課長補佐と小城補償基準係長を講師にお招きしてご講義頂きました。
それぞれの研修会の受講者は次のとおりです。
① 近畿支部第一回実務研修会
日 時: 平成26年 4月17日(木)
場 所: 新梅田研修センター
テーマ:「ガソリンスタンドの概要と移転経費について」
講 師:(株)タ ツ ノ 事業本部 建設技術部 宮 武 吉 郎 氏
受講者:30会員 56名 (16起業者 26名)
② 近畿支部第二回実務研修会
日 時: 平成26年12月12日(金)
場 所: たかつガーデン
テーマ: 「補償基準と関連法及び判例」
講 師: (一社)日本補償コンサルタント協会 近畿支部 相談役
(株)関西補償問題研究所 代表取締役 武 田 政 雄 氏
受講者: 26会員 39名
③ 近畿支部第三回実務研修会
日 時: 平成27年 2月17日(火)
場 所: 新梅田研修センター
テーマ: 「木造・非木造建物調査積算要領の改正内容等について」
講 師: 国土交通省 近畿地方整備局 用地部 用地補償課
課 長 補 佐 古 川 義 明 氏
補償基準係長 小 城 淳一郎 氏
受講者:44会員 81名
< 講 習 会 >
平成26年度の講習会は、平成16年度より毎年度実施している「独占 禁止法」に関する講習会と近畿支部が独自に開発した「標準補償算定システム」の操作実技に関する講習会を昨年度に引き続き開催すると共に、平成27年度の近畿地方整備局発注にかかる用地補償関係業務の入札契約手続きの留意点等について国土交通省近畿地方整備局用地部用地企画課の上山用地官を講師にお招きしてご講義頂きました。
平成26年度の「標準補償算定システム」の操作講習会は、システムをより多くの会員に利用して貰うため、その操作実技について近畿支部事務局において2回開催しました。
第一回は、平成26年6月25日から27日までの3日間の日程で、(株)コム建築コンサルタントの浜氏と、システム会社テクノコーポレーション(株)の中村課長を講師とし、第1日目はシステムの未導入の会員や導入していても利用がなされていない会員を対象にデモンストレーションを行うなど、システムの紹介と操作の基礎についての研修を開催しました。
2日目は、作図から算定までの一連の操作について、3日目は、立木や工作物などの操作機能について、システム導入会員を対象にシステムの操作実技の習得についての研修を開催しました。
第二回は、平成26年9月18日から19日の2日間、会員の(株)コム建築コンサルタントの浜氏と(株)国土開発センターの新田氏及びシステム会社テクノコーポレーション(株)の中村課長を講師として、木造建物の作図から算定までの一連の操作と工作物、立木、用材林、動産などシステムによる算定技術の習得についての研修を開催しました。
それぞれの講習会の受講者は次のとおりです。
① 第一回 標準補償算定システム操作合同講習会
日 時: 平成26年 6月25日(水)~ 27日(木)
場 所: 近畿支部 事務局会議室
テーマ: 「近畿支部標準補償算定システムの操作研修」
講 師: (株)コム建築コンサルタント
技 術 部 浜 晋 作 氏
テクノコーポレーション(株)
営業事業部課長 中 村 稔 人 氏
受講者: 延 既導入 8会員 19名
未導入 2会員 4名
② 第二回 標準補償算定システム操作合同講習会
日 時: 平成26年 9月18日(水)~ 19日(木)
場 所: 近畿支部 事務局会議室
テーマ: 「近畿支部標準補償算定システムの操作研修」
講 師: (株)コム建築コンサルタント
技 術 部 浜 晋 作 氏
(株)国土開発センター
用地補償事業部長 新 田 武 志 氏
テクノコーポレーション(株)
営業事業部課長 中 村 稔 人 氏
受講者: 延 17会員 25名
③ 独占禁止法講習会
日 時:平成26年12月12日(金)
場 所: たかつガーデン
テーマ:「独占禁止法の遵守について」
講 師:(財)建設業適正取引推進機構
相談指導部長 庄 司 芳 次 氏
受講者:26会員 39名
④ 入札・契約手続きに関する講習会
日 時:平成27年2月17日(火)
場 所:新梅田研修センター
テーマ:「平成27年度 近畿地方整備局の用地業務に関する
入札・契約に関する留意点等について」
講 師: 国土交通省 近畿地方整備局 用地部 用地補償課
用 地 官 上 山 由 朗 氏
2.優秀な人材を育成し確保するための方策の実施
補償業務に携わる者としての優秀な人材を育成し確保するため、平成26年度も学校法人創真総合技術学園近畿測量専門学校での「補償講座」に6名の講師を派遣しました。
3.補償相談等への対応の実施
会員や会員以外からのメールや電話による単価表やその他補償に関する質問、相談等に対し、近畿地区用対連に問い合わせるなどスムーズな対応に心がけました。
主な相談等は次のとおりです。
・標準単価表の取扱いについて 5件
・近畿地区用対連運用申し合わせについて 4件
・工損(地盤変動)積算要領について 2件
・損失補償基準の解釈について 2件
・建物・工作物積算要領及び歩掛について 1件
特に今年度は、以外の相談として「木造建物調査積算要領」及び「非木造建物調査積算要領」の改正がなされたことから、この取扱に対する質問が数件ありました。
4.補償業務に必要な関係図書の斡旋
用地補償業務を実施する際に参考となる図書類等の斡旋については、会員専用ホームページを活用し、協会本部の依頼の都度、会員に情報提供しました。
5.補償コンサルタントの業務領域の拡大と受託業務の増大への取組
1)行政機関等への「要望書」の提出及び意見交換会の実施
平成26年度の陳情・要望活動は、補償コンサルタント業界の健全な発展と会員が当面している諸問題の改善等のため、昨年度に引き続き、全国の会員からのアンケートに基づき作成された5項目の「本部要望書」と近畿支部の各会員から提出された要望事項10項目をまとめた「近畿支部版要望書」をもとに実施しました。
まず、平成26年9月18日に支部三役による「近畿地区用地対策連絡協議会事務局」の近畿地方整備局用地部長に対して陳情・要望活動を実施し、社会資本整備の必要性と公共事業予算の拡大、特に補償関連業務の拡大について陳情するとともに、業務の発注方式が公募による指名競争入札や一般競争入札など価格重視の競争入札方式へと移行する中、採算を度外視した低価格による落札や最低制限価格によるクジ落札などが横行し、成果品の品質への影響までもが危惧されている現状について強く訴え、最低制限価格の引き上げや事後公表など、ダンピング受注の排除や低価格入札の防止策の更なる強化と日本補償コンサルタント協会会員の積極的な活用を強く要望しました。
また、現在、各起業者によりそれぞれ異なった取扱がなされている用地対策連絡協議会の単価表や運用申し合わせなどについて意見交換し、統一的な運用へのご検討をお願いするとともに、各起業者の成果品の様式の統一化を目的に近畿支部が独自に開発した会員統一の「近畿支部標準補償算定システム」による成果品の納入を認めて頂くよう要望いたしました。
これを皮切りに、各府県や政令指定都市など12の起業者に対して、それぞれ「本部要望書」と「近畿支部版要望書」をもとに要望活動を展開しました。
各起業者には要望書の趣旨や実情等については概ねご理解を頂きました。
特に「近畿支部標準補償算定システム」に関する要望につきましては、システムによる成果品のサンプルを持参して利点等についての説明をしたところ、成果品としての価値を認めて頂けるだけでなく、大いに興味を示され、引き続き会員だけでなく非会員も含めてより多くの補償コンサルタント業者に普及するよう検討すべきとのご指導を頂きました。様式の統一化や単価表等の取扱の不統一項目についても、近畿地区用対連での一本化が図られればとのご意見が多く、近畿地区用対連との調整を求められました。
また、起業者の皆様からは、次のような厳しいご指導も頂戴いたしました。
① 相変わらず違算や単純な計算間違いが散見する。
特に修正を指示しても関連箇所の数値等の訂正ができていなくて差し戻しするなど基本的な間違いがなくならない。
② 移転工法の採用、非採用の導き方や論拠が不十分である。
特に関連移転とする場合の論拠などは、もっと詳細かつ丁寧に理 論立てを行う必要がある。
③ 数量計算書からの転記ミスも多い。
④ 成果品の質問に対する回答に時間がかかりすぎる。
⑤ 業務担当者との連絡体制をきっちりしておいて欲しい。
⑥ 納期が守られない。余裕を持った工程管理をして欲しい。
私ども補償コンサルタント協会近畿支部の会員としましても、ご信頼を頂いているこういった起業者からのご意見やご指導を真摯に受け止めて、信頼と期待に応えるべく引き続き精進していく必要があります。
(本部要望書)
1.民間活用の一層の促進について
2.低価格入札防止策の更なる強化について
3.発注仕様書の統一的整備・運用と歩掛の作成等について
4.用地補償総合技術業務への民間企業の一層の参入について
5.協会会員の一層の活用について
(近畿支部要望書)
1.業務内容の変更に伴う適切な業務指示と業務数量の適正な変更について
2.最低制限価格の引き上げ及び事後公表について
3.再算定業務における電子データーの提供について
4.再算定業務の成果品の責任の所在と適切な業務指示について
5.近畿支部標準補償算定システムについて
6.補償金算定等に関する取扱い及び運用の統一ついて
7.工事損失調査のデジタルカメラの使用について
8.物件等調査業務等の成果品の写真について
9.関係権利者が膨大な物件調査等業務における「打合せ協議」について
10.災害時の早期復旧に補償コンサルタント協会会員の積極的な活用を
2)支部報による広報活動
「近畿支部報」第62号及び第63号を発行し、会員に配布するとともに、190名の起業関係者に対して配布し、近畿支部の活動状況や会員情報のPR等を行いました。
3)会員情報の提供と宣伝等
企業者等への会員情報の提供と宣伝を目的に、会員名簿(平成26年5月現在)を作成し、会員及び起業者に配布するとともに、要望活動や意見交換の場などあらゆる機会を通じて、会員のPRに努めました。
また、支部の「ホームページ」や「近畿支部報」に最新の会員情報を掲載し、起業者に対して会員情報のPRに努めました。
6.補償コンサルタント業務に関する諸情報の提供
(一社)日本補償コンサルタント協会近畿支部の会員専用ホームページや会員専用メールを活用し、会員に対して協会本部や支部の活動内容及び補償業務に係る諸情報をタイムリーに情報提供するよう努めました。
7.「補償標準単価表」の会員への貸与
補償業務の円滑な執行に寄与するため、近畿地区用対連より「建物工作物編」「立木編」「通常損失補償編」「工損標準単価表」の単価表、歩掛書及び「近畿地区用対連運用申し合わせ」の貸与を受け、CDに編纂して会員に貸与しました。
また、兵庫県用対連事務局からも「補償標準単価表」(兵庫県版)の一括貸与を受けて必要とする会員に貸与しました。
8.東日本大震災関連業務の受注情報の提供及び受注斡旋の実施
東日本大震災関連業務については、東京電力関係の業務や環境省の中間貯蔵施設関連の業務、さらには復興庁や関係地方公共団体の震災復興関連業務の増大が予想されることから、復興支援業務の一層の円滑化を図ることを目的として平成26年4月1日に日本補償コンサルタント協会の会員による「(一社)日本補償コンサルタント復興支援協会(以下、「復興支援協会」という。)が設立されました。
このことから、日本補償コンサルタント協会の平成26年度の東日本大震災関連業務に対する取組は、復興支援協会の実施する業務に対して連携し協力するとの立場として、復興支援協会が実施する震災復興関連業務の業務実施会員募集案内や参加希望の取り纏めなどの連絡調整等の業務を復興支援協会から受託して実施する事となりました。
近畿支部といたしましては、日本補償コンサルタント協会本部からの業務実施依頼に基づき、復興支援協会会員に対する業務情報の提供や業務実施会員の募集、推薦、取り纏めなどの連絡調整等の業務を実施しました 。
(補償コンサルタント協会と復興支援協会との関係)
①平成26年3月31日
日本補償コンサルタント協会が、昨年度に引き続き東京電力(株)発注「財物の賠償に関する相談等対応補助業務」及び「財物(土地建物等)の賠償に関する現地評価業務」を受注。
②平成26年4月 1日
(一社)日本補償コンサルタント復興支援協会設立。
③平成26年6月24日(第三回理事会)
日本補償コンサルタント協会が今後実施する復興支援業務については、復興支援協会の設立趣旨を踏まえて「協会が実施する事がやむを得ない場合に限定する。」ことを決定。
④平成26年9月 9日(第六回理事会)
東京電力(株)発注「財物の賠償に関する相談等対応補助業務」及び「財物(土地建物等)の賠償に関する現地評価業務」を4月に遡って復興支援協会に委託し、9月21日以降にあっては当該業務のすべてを復興支援協会に事業譲渡することを決定。さらに、今後の復興支援協会会員との連絡・調整に係る「運営支援業務」については、復興支援協会から受託して実施することを決定。
(平成26年度に近畿支部が実施した連絡調整等業務)
1.東京電力(株)関係
①財物の賠償に関する相談等対応補助業務 3会員
②財物(土地建物等)の賠償に関する現地評価業務 5会員
2.環境省関係
①(一社)日本補償コンサルタント復興支援協会の設立に関する案内及び入会取り纏め業務 32会員
②除染等の措置等の推進に必要な用地総合支援業務 6会員
③中間貯蔵施設整備に伴う用地補償説明業務 3会員
④中間貯蔵施設整備に伴う土地建物等調査等業務 8会員
9.会員親睦事業への助成の実施
会員相互の親睦と交流を図り組織の連携強化を図る一環としての同好会等会員親睦事業につきましては、昨年度に引き続き以下の行事を通じて参加会員相互の親睦を図りました。
(平成26年度実施した会員親睦行事)
①第54回 JCC互留歩大会
日 時 : 平成26年 4月24日
場 所 : 兵庫県 チェリーヒルズG・C
参加者 : 8会員 11名
②会員親睦魚釣り大会
日 時 : 平成26年5月31日
場 所 : 和歌山県 和歌山港沖
参加者 : 6会員 10名
③会員親睦魚釣り大会
日 時 : 平成26年 7月25日
場 所 : 福井県 若狭湾沖
参加者 : 10会員 20名
④第55回 JCC互留歩大会
日 時 : 平成26年10月30日
場 所 : 兵庫県 六甲カントリー倶楽部
参加者 : 10会員 13名
⑤会員親睦ハイキング
日 時 : 平成26年11月 8日
場 所 : 黑田官兵衛ゆかりの地
書写山~姫路城(兵庫県)
参加者 : 11会員 37名
10.海外用地補償制度等の調査研究及び視察へ参加斡旋
日本補償コンサルタント協会本部が実施する、海外の用地補償制度等の調査研究及び視察について、平成26年度は「第60回国際用地協会(IRWA)教育セミナー」と「第24回海外損失補償制度調査」のへの参加の斡旋と募集を行いましたが、結果として近畿支部からの参加希望者はありませんでした。
11.役員会及び委員会の活動状況
平成26年度の役員会及び委員会による支部活動状況は次のとおりです。
(1)役員会 12回
(2)委員会
総務委員会 |
2回 |
|
研修委員会 |
4回 |
|
研修・広報・HP部会 |
3回 |
|
補償業務委員会 |
3回 |
|
補償理論システム部会 |
3回 |
|
親睦委員会 |
2回 |
|
計 |
17回 |
12.本部委員会への参加
本部各委員会(総務委員会、補償業務委員会)に各所属委員が出席し、本部委員会の各テーマに関する近畿支部の意見、考え方を本部各委員会に反映しました。
13.会員の現況及び「補償コンサルタント登録」の状況
平成27年3月31日現在
正 会 員 数 95社
賛助会員数 1社 であります。
(但し、会費滞納による資格停止会員2社を含む。)
平成26年度新規入会員は0、退会員等は0でした。
なお、平成27年3月31日現在の登録部門別等の内訳は次のとおりです。