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私のコンピュータ

専務 山本 俊之
 【(株)山本総合補償コンサルタント)】

補償という仕事に就いて10数年が経とうとしている。最初の仕事がワープロ専用機を1台もらって、まず文章を打つことから、始まった。文書の様式を作ったり、ワープロの文字にないm3の文字を外字登録したりしていた。もちろん、上司の建築士と現地調査に随行し、動産、立木等の調査を行ってきた。
 やがて、コンピューターが我社に導入され、誰も使いこなす者がいないため、自分に使いこなすように命令された。コンピューターを触ったことさえもなかったから、説明書を読み、わからないことは納品業者に聞き、試行錯誤の連続であった。時には、ハードディスクを初期化してしまうこともあった。一番最初に扱ったのがロータス、次が一太郎だった。この頃のソフトは現在のようにウィンドウズ版ではなく、いわゆるMS-DOS版で、自分で環境等を設定していかなければならないものだった。たまたま友人の一人がMS-DOSに詳しい者があり、「コンピューターを増設したいがどうすれば良いか」とたずねたところ、実際に画面を見ながら設定してくれた。CONFIG.SYS、AUTOEXEC.BAT等専門用語を述べ、説明していく彼を見ながら「何のこっちゃ」と思いつつ、驚くばかりであった。そのうちもう1台別のノートパソコンを購入したので、今度は自分で設定しようと、本を買ってきた。あちこち変更して、調子が悪ければ、最初からインストールをして、繰り返し設定を行った。そのうち、何のことかわからなかったMS-DOSの用語がわかり、自ら、プリンターの設定、FEPの設定等ができるようになった。

 表計算ソフトにおいては再築補償率が、耐用年数及び経過年数により、算出できるようにした。

再築補償率=(1-0.8n/N)+0.8n/N(1-1/(1+r)(N-n))
[n=経過年数,N=耐用年数,r=年利率]
ただし、計算結果において少数第4位は四捨五入する又、計算結果=1.000場合のみ0.999とする。

標準補正に関しては、計算不可能であるが、全ての耐用年数及び経過年数に適合する。現価率においても同様である。
 平成10年以降年利率も6%→5.5%→5.0%と変動しているため、建物調書に年度を打てば、年利率を設定できるようにしておけば、再築補償率表を調書を作成する度に確認しなくても良い。又、入力ミスも少なくなる。

 自分は建築士ではなかったから、ドラフタがなかったが自分で図面を書きたいと思っていた。その頃CADソフトは、何十万円もしていたが、前述した友人が約5,000円でCADソフトがあると、JWC.CADを教えてくれた。その友人というのは、冷たくて10分くらいであったろうか、基本的な操作を画面で見せてくれて「後は、本を読んで自分で勉強せえ」とつきはなされた。最低限のインストールと、プリンターの設定だけはしてくれたのだが・・・。しかたがないので、説明書を読んで、とにかく図面を書けるようになった。しかし、図面操作が一般の設計図面の1/50の縮尺を基本としているため、補償図面の1/100の縮尺になじまなかった。妙に詳しすぎ、又応用もきかなかったのである。説明書を熟読すると、オプションというコマンドがあり、自分で応用した部品を作成できるとあった。何のことが書いてあるのかわからず、恐る恐る1つずつ変更及びチェックを繰返すとだんだん理解ができるようになった。
 やがて補償図面用の建具とか畳とかのオプションが出来、変形等も出来るようになった。自ら作成したそのオプションを友人に見せると非常にびっくりしていた。「わずか3ヶ月あまりで、オプションを理解した者は初めてだ」と。
 社内にコンピュータが、数台に増えてくると、プリンタを共有しなければならないという問題が起こってきた。次にネットワークを構築しようとケーブル、ボートを買ってきて、何とかネットワークを組めた。この頃から自分は、何かをやり出すと、のめり込んでしまうという性格がわかってきた。次にインターネットに進めば良かったと思うのだが、この性格のため仲々せずに現在まできている。
 最近は、法務局においても、コンピューター化され(和歌山県では和歌山及び岩出)、インターネット無しではすまされない状況になってきた。補償協会近畿支部ではホームページを開くと決定された。このホームページを現在、見ることができないため近日中には、インターネットをすると決心した現在の心境である。