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2004年7月に日本で12番目の世界遺産としてユネスコに登録された「紀伊山地の霊場と参詣道」は、古都・奈良及び京都の南に位置する紀伊山地に形成された三つの山岳霊場すなわち「吉野大峯」、「熊野三山」、「高野山」と三系統6本の「参詣道」(高野山町石道、小辺路・中辺路・大辺路ルート、伊勢路ルート、大峯奥駈道)からなる文化資産郡で、日本・世界でも類例の少ない山岳と森林が一体の「文化的景観」が主役となった世界遺産です。範囲は、和歌山・奈良・三重の三県(29市町村)にまたがり、495.3haに及び参詣道の総延長も307.6kmに達しています。 |
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紀伊山地の熊野三山、高野山、吉野・大峯は古代以来自然崇拝に根だした神道、中国から伝来し我が国独自の展開を見せた仏教、その両者が結びついた修験道など、多様な信仰の形態が育んだ神仏の霊場であり、「紀伊山地の霊場と参詣道」はその名の通り、参詣道大きな魅力をもっています。 |
平安時代、皇族や貴族たちが秘境熊野に現世浄土を求めたことに始まり、江戸時代には庶民まで広がった熊野信仰は、熊野をめざすおびただしい人の群れをたとえて「蟻の熊野詣」と呼ばれたほどで、その参詣道「熊野古道」には現在もたくさんの人々が訪れています。 |
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熊野参詣道は、田辺から熊野三山にいたる中辺路ルート、本宮と高野山を結ぶ小辺路ルート、三重県から入る伊勢路ルート、熊野から吉野までの修験道大峯奥駈道が主なルートです。
熊野三社の末社である熊野神社は、北海道から沖縄まで、4,000近くもあるといわれています。 |
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「 熊野古道と癒し効果 」 |
・からだに優しい環境
しみや皮膚ガンに影響するといわれる紫外線は、熊野古道での測定値は普通市街地の公園のひなたと比較すると50分の1程度、木陰に入れば夏も大変涼しく感じられ、また、語り部とともにゆっくり歩くことで、ウォーキング時の心拍数も安全な範囲で推移し、心肺機能への過度な負担も殆どありません。
・ストレス軽減、免疫力の増大
ストレスホルモンの一種コルチゾールの変化も古道ウォークの前後に測定した結果平均値で約30%も低下するそうです。(平地公園では有意な変化は無し)
・熊野健康ウォーキングで気分も爽快
POMS(感情プロィール検査)という心理テストの結果では、うつや怒りの気持ちが減少し、活動性が増加するなど好影響が確認されているようです。 |
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”皆様、懸命に動き回って、頑張って、疲れていませんか?” |
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何も海外等へ行かなくても近くで小さい観光、その中で自分なりの楽しみを見つけ、ほんの少し休む「小休止」をとりませんか、そうすれば、心も体も楽になり、物事がうまく回りはじめるかもしれません。
何事も腹八分目です、100%以上の出力で動いていたのでは、機械ではないのですからいつかは倒れ・壊れます。自分の80%の出力を見極めることが大切なことのようです。(お酒の飲み方とおなじです。)また、「やりすぎ」は周囲にもうとまれることにもなりかねません。 |
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”ひ と 休 み の 名 言 7 ” |
(PHP,9月号2006より) |
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1.「いつも人生は未完成であろう」 : 神谷美恵子 |
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100点満点以外は認めないという気持ちでは、気持ちが焦るばかり、過程を思う気持ちがあれば、きっと良い仕事が出来るだろう。 |
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2.「疲れた人は、しばし路傍のクサに腰をおろして、道行く人を眺めるとよい。 |
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人は決してそう遠くへは行くまい」 : ツルゲーネフ |
人生には休息が必要、休むタイミングは周囲を気にせず自分で判断する。 |
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3.「勤労は日々を豊饒にし、酒は日曜日を幸福にする」 : ヴェルレーヌ |
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仕事以外の楽しみを持つ、オン・オフのバランスを大事に自分を磨こう。 |
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4.「遊んで遊んで遊びつくせば、何かに突き当たって、つかむものがある」 : 今 東光 |
5.「けわしい山に登るには、最初からゆっくりと歩くことが必要だ」 : シェークスピア |
6.「新しい作品の構想を練る最高のチャンスはお皿を洗っているとき」 : アガサクリスティー |
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家事などに時間を割くのはムダとういう考え方では心が荒んでくる。日常を愛する人は、どんな場面もチャンスに変えられる。 |
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7.「人間はあまり正しいことばかり言っていると、そこに根がはえたみたいになるもの」 : 加藤シズエ |
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疲れている皆様方、都会の喧噪を離れ、土の匂い・風の薫り・緑の芳香に心も体も優しく潤う、神秘で不思議な魅力にあふれている熊野、平安朝から人々を惹きつけてやまない神々の国熊野、いにしえの人が魂の再生を夢見た「癒しの聖地」熊野古道を歩き、心地よく疲れたら神秘な本宮温泉郷に入るゆっくりのんびりな、ひとり旅をしませんか、必ず心も体も楽になり、笑顔も戻り、幸せも寄って来ると思います。 |
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”熊 野 三 山 ” |
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これらの三つの神社は、それぞれ別々の自然崇拝に起因しているのですが、神仏習合の影響を受けて熊野三所権現として信仰されるようになり、これらを巡礼する「熊野詣で」の目的地として古代から繁栄してきた。 |
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「熊野参詣道(中辺路ルート)」で結ばれている、熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社の三社と青岸渡寺、補陀洛山寺の二つの寺院によって構成されるのが熊野三山である。 |
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「 熊 野 本 宮 大 社 」 |
熊野詣での人々が夢にまで見た聖地、熊野本宮大社は杉の木立が生い茂る静かな森の石段(158段)を登り詰めると、神武天皇ゆかりの八咫烏の幟が目を引きつける。熊野三山の中でもとりわけ古式床しい雰囲気を漂わせる。現在の熊野本宮大社は明治22年(1899年)の熊野川の大洪水で流失を免れた社殿をそっくりそのまま移築したのもで、元は大斎原と呼ばれる熊野川と音無川が合流する中州にありました。 |
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鳥居の前に立つと、大きな八咫烏の幟が目を引きます。八咫烏は熊野権現の使い、三本足の烏です。 |
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石段を登りきると、正面に神門があり、神門をくぐると檜皮葺きの古色蒼然とした社殿が目に入ってきます。 |
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大注連縄の掛かる神門をくぐると杉の緑を背にした檜皮葺きの社殿と対峙する。向かって左の社殿が牟須美(むすみ)・速玉(はやたま)の両神、中央は主神の家津美御子神(けつみみこのかみ)、そして右手は天照皇大神(あまてらすおおみかみ)を祀る。
荘厳な社殿の前にたたずむと、はるか千年続く熊野詣での願いが渦巻いているような雰囲気包まれる。
八咫烏(ヤタガラス)は神の使者で三本足のカラス、三本足の意味は、本宮大社の御祭神家津美御子神の御神徳である、智・仁・勇、又は天・地・人を表している八咫烏は、神武天皇の東征の際に熊野の地を道案内したカラスであり、日本サッカー協会のシンボルマークです。 |
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明治22年の水害まで熊野本宮大社が鎮座していた聖地「大斎原」、かつて社地があったことを知らせる大斎原は、春には清楚な桜に彩られる。
平成12年に日本一の鳥居(高さ33.9m)が建てられ、遠くに続く熊野の山々を背景に堂々とした鳥居である。 |
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「 熊 野 速 玉 大 社 」 |
新宮熊野速玉大社は、熊野本宮大社から熊野川を約35km下った右岸に位置するのが日本第一霊験所である速玉大社です。
主祭神は、熊野速玉大神(いざなぎのみこと)・熊野夫須大神(いざなみのみこと)を中心に12柱の神々を祀り、新宮12社大権現として全国から崇敬を集めています。
尚、熊野速玉大社を古来新宮と呼んできましたが、最初の祭祀の場である神倉神社を元宮(もとみや)とし、新たに現在地に社殿を移したことに由来するものと考えられます。神倉神社では毎年2月6日の夜に行われる、お燈まつりは、白装束に身を包んで、538段の急な石段を駈け降りる勇壮な祭りで、新年の聖なる神火をいただいて帰る、原始信仰を伝える修験の儀式でもあります。 |
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今年から、新宮市商工会議所の青年部が熊野速玉大社と協力して設けた「速玉賞」の第1回の受賞者は、プロ野球最速の161キロをマークしている横浜のクルーン投手が「速玉」の名にふさわしいということから受賞がきまりました。 |
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「 熊 野 那 智 大 社 」 |
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熊野那智大社は、国の天然記念物那智の原生林(30ha)の中に位置し、周辺には樹齢百年の巨大な杉・檜・そしてかつてひたすら蟻のように行列をつくって熊野を目指した皇族や庶民たちが踏み締めた石畳の大門坂、日本一の那智の滝があります。 |
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熊野那智大社の起源は那智の大滝を信仰する自然崇拝に始まり、現在地に社殿を移したのは4世紀、仁徳天皇の頃と伝えられている。6棟の荘厳な社殿は、熊野造り、権現造りで朱塗りも大変鮮やかで主神は夫須美神(いざなみ)で生産和合の守護神として崇拝されている。11世紀の頃になると白河法王をはじめ多くの皇族が、鎌倉時代以降は貴族や武士だけでなく、民衆にまで広がった。 |
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青岸渡寺は、インドから熊野に流れ着いた裸形上人が那智の滝の滝壺から見つけた観音像を安置したのが起こりとされています。
西国33ヵ所の1番札所として、四季問わず信者で賑わう。
また、伊勢神宮参詣の後、伊勢路ルートからこの青岸渡寺に参詣される。 |
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那智48滝寒行の最初の勤行は、御神体である那智の大滝で行われる修験道の行場である。
空海や最澄もこの那智の滝で修行を行ったと言われている。
高さは133m、巾13mの日本一の滝であり、後方には原生林が控えている。 |
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那智の火祭り |
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毎年7月14日に、熊野那智大社で行われる例大祭が「那智の火祭り」であり、熊野の神々を表した12の扇神輿を12本の大松明が燃え盛る炎で清めながら那智の滝へと迎えいれる。
日本三大火祭りのひとつである。 |
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熊野三山のひとつ、補陀洛山寺は国道42号線から、那智山の方面に折れてすぐ右手にあります。
補陀洛渡海の寺として有名です。渡海船(八咫船)も展示されているようです。 |
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”熊 野 本 宮 温 泉 郷 ” |
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小栗判官と照手姫の伝説が伝わる「つぼ湯」をはじめ、熊野詣での湯垢離場として有名な「湯の峰温泉」、川原を掘ればたちどころに温泉が湧き出す「川湯温泉」、西日本一の規模を誇る大露天風呂の「わたらせ温泉」が名湯が沸く本宮温泉郷です。 |
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「 湯 の 峰 温 泉 」 |
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湯の峰温泉は硫黄の香りが漂い、湯けむりが立ちこめムードは最高、日曜日に朝市を散策したり、源泉である湯筒に卵を入れて温泉玉子を作るなど、湯の楽しみは尽き |
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ません。また、1日に7回湯の色が変わるなど数々の伝説(小栗判官と照手姫伝説)に彩られたつぼ湯。 |
つぼ湯は世界遺産に登録された世界初の温泉浴場です。つぼ湯に夫婦で入れば子宝に恵まれるとの言い伝えもあります。 |
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「 わ た ら せ 温 泉 」 |
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わたらせ温泉は西日本一の規模を誇る大露天風呂、内湯から外に出ると大小数々の露天風呂が並び、あまりの広さに遠くの湯舟は湯けむりにかすんで見えるほどです。 |
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「 川 湯 温 泉 」 |
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熊野川の支流、大塔川。その川原を掘ると、そこから温泉が湧き出すというとても珍しい温泉です。川原を掘って出来る自分だけの露天風呂です。冬期期間(11月~ 翌年2月まで)はそこに川を堰き止めた仙人風呂(千人風呂)が出現し大きな露天風呂になります。 |
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温質も趣も異なる3ヶ所の名湯が沸く、熊野本宮温泉郷をゆっくりと楽しんで下さい。 |
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”水森かおり・今年度のレコード大賞を目指して、「熊野古道」を歌う” |
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ご当地ソングで知られる人気歌手、水森かおりさんが「熊野古道」を発売(1月5日)され、今年のレコード大賞・紅白出場を目指し、県内各地に「水森かおり熊野本宮応援隊」等が結成され、ご当地ソング「熊野古道」が大変盛り上がっています。 |
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1. |
はなれるほどに 恋しさつのる |
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心はなんて あまのじゃく |
列車を何度か乗り継いで |
くまの古道をひとり旅 |
切れぬ未練に振り向けば |
足を取られる木の根道 |
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2. |
女は愛によくばりだから |
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重荷になっていたみたい |
ないものねだりの悪いくせ |
熊野古道は石畳 |
消したつもりの面影が |
杉の木立にみえかぐれ |
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3. |
涙の川を何度かわたり |
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女は強くなるという |
つまづきながらもまた一歩 |
くまの古道を峠超え |
歩き通したその時が |
きっと私のひとり立ち |
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今回「近畿の穴場」として、「南紀熊野」を取り上げました。是非皆様、いにしえより信仰の絶えぬ、古の人が夢見た祈りの道「熊野古道」を歩いて、心も体もリフレュシュして下さい。
また、水森かおりさんの「熊野古道」の応援も是非、宜しくお願いします。 以上、
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